今回も引き続き、製図における図形の表現方法について説明していきます。
ハッチング
切断面の切り口を明示するため、面の切り口部分を平行に細い実線を斜めに密に並べて描きます。
ハッチングを施す際には、下記のルールに従います。
・断面である事が明らかな場合は、ハッチングを省略できる。
・通常は、主な外形線や中心線に対して角度45°の細い実線で描く。
・離れた位置に現れる同一部品のハッチングは、角度や間隔を同じにする。
・別の部品のハッチングが隣り合う場合は、角度や間隔を変える。
・切り口が広い場合は、領域の外周部のみハッチングを行ってもよい。
・ハッチング領域に文字を記入する場合は、文字の部分はハッチングを行わない。
・薄肉部の断面は塗りつぶしてもよいが、隣接部品との間には0.7mm以上の間隔をあける。間違いを生じない場合は、1本の太い実線で描いてもよい
省略図
対称形の部品や長い対象物、同じ形状が繰り返される場合などに限り、作図時間と図面空間を節約するために、誤解を生じない範囲で全体の一部だけを描き、他の部分を省略できます。
・対象形状の省略
対象形状の物体を製図する場合は、中心線より片側を描いて残りを省略します。この場合は、2本の細い平行線「対称図示記号」を付けます。ただし、中心線を少し超えたところまで作図線を延長すれば、対称図示記号を省略できます。
・繰り返し形状の省略
同じ形状が繰り返される場合はその部分を省略することができます。省略による誤解を避けるために、寸法記入や注記などの手段を用いて、省略した形状の数などを明確にするようにします
・中間部分の省略
同一断面で長い形状の対象物などは、中間部分を切り取って短縮して描くことができます。切り取った端部は破断線またはジグザグ線を用いて示します。