前回までは、投影法について記述しましたが、今回からは投影図について説明していきます。
投影図の選択
正投影図で対象物を表現するにあたって、厳密には6面すべて(1正面図、2平面図、3左側面図、4右側面図、5下面図、6背面図)の投影図を描かなければなりませんが、通常は正面図、平面図、右側面図の3つがあればよほど複雑な形状でない限りは十分表現できます。
たとえば、実物の形状を最もよく表している図を正面図として描き、平面図、右側面図とあわせて3つの投影図で図面を完成させます。
各投影図において、かくれ線などが最も少なくなるように投影図の配置を考えるようにします。
このように一般的に図面は、この3つの正投影図を組み合わせて表現します。このとき、前述したようにもっとも対象物の情報を与える投影図を「主投影図」といいます。
実際の図面では、主投影図と、それとは別の2方向から投影した図(補足図と呼びます)が必要ですが、形状によっては補足図をさらに減らして、補足図が1つ、または1つもなくても表現できる場合があります。このような場合には、補足図をできるだけ減らすようにします。
対象物の形状を見て投影図を判断したり、逆に投影図を見て対象物の形状を判断するには、投影図中のどの線が実長なのか、どの面が実形なのかを考える必要があります。