製図に用いる投影法には3つの種類があり、そのうちのひとつ正投影について説明します。
正投影
正投影は、対象物の1面を投影面に平行に置く直角投影です。対象物の1面は正確に表すことができますが、他の面はまったく表すことができないため、複数の正投影図を組み合わせて、1つの対象物を表現する方法が用いられます。
第一角法と第三角法
製図の基本となる正投影図によって対象物を描く場合には、複数の面に対して投影図を作成しなければなりません。この複数の正投影図の投影、配置する方法として、第一角法と第三角法があります。
対象物を正投影するにあたって、対象物が置かれた3次元空間を垂直(縦方向)・水平(横方向)の直交する2平面で空間を分け、平面で分けられた空間は4つに区切る事ができます。これらを上から時計回りに第一角、第二角、第三角、第四角と呼びます。
第一角の空間に対象物を置いて垂直面、水平面に正投影するのが第一角法で、第三角に対象物を置くのが第三角法です。
第三角法で対象物のすべての面を正投影すると、正面図を中心とし、上側に平面図、下側に下面図、右側に右側面図、左側には左側面図、背面図(背面図は右側面図の右でも可)というように、対象物の上下左右と同一の位置にそれぞれの投影図が対応します。
これに対して、第一角法は正面図の右側に左側面図が、上側に下面図が配置され、対象物の上下、左右の投影図が実際とは逆に配置されます。作図や確認をする際に不便なので実際の製図では第三角法が用いられます。