前回は寸法記入、寸法記入の原則を記述しました。
今回も引き続き寸法記入について説明します。
寸法線と端末記号
対象物の寸法を記入するために、その長さや角度を測定する方向に平行に引く線を「寸法線」と言います。
辺の長さの寸法
弦の長さの寸法
弧の長さの寸法
角度の寸法
寸法の端末には端末記号を用います。
30°開き矢
90°開き矢
30°白抜き矢
30°塗りつぶし矢
斜線(45°傾斜)
黒丸
端末の矢印は、寸法補助線の範囲内で示します。寸法補助線に感覚が狭い場合には、端末の矢印は延長した寸法線上に示してもよい。隣り合った2つの寸法線に間隔がともに短いなど、矢印を描くことができない場合には、斜線または黒丸をつかってもよい。
半径の寸法を記入する場合には、端末に矢印は円弧上にある寸法線の端に1つだけ使用します。
寸法の起点には、起点記号を用います。起点記号は直径3㎜の白抜き円を用います。
引出線の記入法
引出線は、必要以上に長くしないで形体に対して斜めに引きます。ハッチングと重なる場合は、ハッチングの線と区別できる傾きにする必要があります。
寸法数値の記入法
寸法数値(基準寸法)を記入する際には、次のルールに従います。
- 寸法数値は、十分に判読できる大きさの文字によって表す。
- 寸法数値は、寸法線に平行に配置し、ほぼ中央で寸法線からわずかに離した上側に記入する。ただし、累進寸法記入法の場合は寸法線の端に記入する。
- 寸法数値は、いかなる線によっても交差したり、分離されないようにきにゅうする。
- 斜めの寸法線上の数値と角度寸法の数値は下図のように記入する
状況に応じて、次のように寸法数値の記入方法をとることができます。
- スペースが狭い場合には、端末記号を越えて延長した寸法線の上側に寸法数値を記入したり、寸法線の接するように引出線を引き、参照線の上側に寸法数値を記入する。
- スペースに制約があって寸法数値を寸法線に平行に配置できない場合には、寸法線を延長して水平にした線の上側に記入することができる。
- 情報提供のために参考寸法を記入する場合、寸法を括弧で囲む。
- 半径が他の寸法から導かれる場合には、半径を示す矢印と数値なしの記号(R)を用いて表す。