図面に用いる尺度
尺度とは、対象物の実際の長さ寸法に対する原図に示した対象物の長さ寸法の比です。
図面に描かれる対象物の大きさは、橋梁やビルから電子回路に至るまでさまざまです。
これらを限られた大きさの用紙内で表現するために、図面は適宜、対象物の実際の大きさとは異なった比率で縮小、あるいは拡大して描かれます。
この対象物の実際の大きさと図面上の大きさの比率を「尺度(scale:スケール)」と呼びます。
尺度は大きく分けると、「倍尺」、「現尺」、「縮尺」の3っつがあります。
尺度A:B 図面に描かれた対応する図形の大きさ:対象物の実際の大きさ
倍尺:小さな対象物に対して、実際よりも大きな比率で描く場合に用いる。対象物の大きさを1とした「x:1」(xには数値が入る)の形式で表す。
現尺:実際の対象物とまったく同じ大きさで描く場合に用いる「1:1」で表す。
縮尺:大きな対象物に対して、実際よりも小さな比率で描く場合に用いる。描いた図形の大きさを1とした「1:x」(xには数値が入る)の形式で表す。
図面においては、次の表に示す尺度を用いる事が望まれますが、やむを得ない場合(推奨尺度より大きい尺度、あるいは小さい尺度が必要な場合)は中間の尺度を用いることができます。
図面の表題欄には、その図面の尺度を記載します。1枚の図面で複数の尺度を使用する場合は、主となる尺度を表題欄に記し、他の尺度は詳細図・断面図などの照合文字の近くに記します。
種別 | 推奨尺度 | 中間の尺度 |
倍尺 | 50:1 5:1 20:1 2:1 10:1 |
50√2:1 25√2:1 10√2:1 5√2:1 2.5√2:1 √2:1 |
現尺 | 1:1 | |
縮尺 | 1:2 1:200 1:5 1:500 1:10 1:1000 1:20 1:2000 1:50 1:5000 1:100 1:10000 |
1:√2 1:1.5 1:2.5 1:2√2 1:3 1:4 1:6 1:5 1:10√2 1:15 1:25 1:20√2 1:100√2 1:150 1:250 1:200√2 1:30 1:40 1:60 1:50√2 1:1000√2 1:1500 1:2500 1:2000√2 1:300 1:400 1:600 1:500√2 1:3000 1:4000 1:6000 1:5000√2 |